事例報告

『ドネペジルを中止して異常行動がおさまった事例』

2017年02月09日

■患者:60歳 男性 愛知県
■投稿者:医師

前医の診断:アルツハイマー型認知症
ドネペジル5mg処方

当院での診断:ピック病、のちに皮質基底核変性症
ドネペジルを2.5mgに減量、その後中止。包接フェルラ酸サプリメント100M推奨。6年後の現在はリバスチグミン9mg

改訂長谷川式スケール27、原因不明の歩行障害(N大学病院が診断できず)、飲酒あり、うつ病の既往あり、当時54歳 

52歳のとき抗うつ薬を1年飲んだがよくならず、54歳の時、妻の職場に電話をかけてきて、俺は死んでいるという妄想を口にしたり、頭を回し始めた。K病院でドネペジル3mgを2週間服用後5mgに増量。半年後から歩けなくなり易怒。メンソレータムを時計が0を指すと塗り始めるという常同行動、1年飲んでAクリニックへ。ドネペジル中止で数か月後に奇妙な行動は完全に消えた。

副作用というのは一般に服用後すぐに起きないと気づかれないものだが、ドネペジルの場合後発的に副作用がおきうる。そのような知識が医師にないと、病状の進行と思ってしまう。
ドネペジルで常同行動がおきたピック系の患者を私は2人知っている。もう1人は中止後1週間で異常行動はおさまった。このような後発的な副作用は、副作用報告に上がってこない可能性が大きい。もし3mg継続が許されるならこのような重症化は軽くすんだであろう。

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